幻の大連 (新潮新書 255) (新書) 松原 一枝 (著) 価格:
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新書なのにエッセイなの?と最初は戸惑ったけれど、読み終わってみれば単なるエッセイではなく、
大正末期から昭和初期の大連の様子を肌で感じることのできる優れた読み物だった。
中国人の使用人との生活、海水浴やダンスなどの娯楽、町をにぎわす数々のニュース・・・
そんな大連生活の一つ一つが、少女の目から見た主観と、
後世の目から見た客観をうまく織り交ぜながら語られていく。
単なる歴史解説本からは得られない、生活のにおいを強く感じることができる。
しかも川島芳子や甘粕正彦など、出てくる人々も豪華。 歴史好きにはたまらないだろう。
モダンで猥雑ではあるが、当たり前の生活が営まれていた都市でもある大連。
その時代を生きたわけでもない自分が本書を読んでなぜかノスタルジーを感じるのは、
著者の文章の力だろう。